FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

幸福論。(カミナ×キタン)

「んーー…シャワー浴びてくる」

カミナは、そう言うとバスルームにふらふらと入って行った。

しばらくバスルームの床を叩く水音がしていたが、その後静かになり、キタンは不審に思って、中を覗きに行った。

「おいおい…」

カミナは長い手足を投げ出し、湯を張った浴槽の中でうとうとと居眠りをしていた。
キタンがドアを開けたのにも気付かなかったので、よほど疲れているらしかった。
そんなカミナを見て、キタンは身体を洗ってやろうと思いつく。
多分、この状態なら抵抗はしないだろう。

「カミナ」

声を掛けたが、やはり目を覚まさなかった。
キタンは服を脱ぎ、カミナの身体を抱え上げる。見た目と違って、カミナの身体は案外軽い。
そして、上半身を彩る鮮やかな刺青に誤魔化されてしまうが、全身いたるところに大小混じった、傷跡が沢山あった。

「オレも結構…傷痕多いけど、こいつの量にゃ勝てねえよなあ」

キタンがそうポツリと呟くと、カミナはそこでやっと目を開けた。

「あれ…何すんだ?」

カミナはキタンがいるのを見て不思議そうな顔をする。

「お前疲れてんだろ。俺が洗ってやるよ」

キタンは浴槽の栓を抜くと、シャワーのコックを捻る。

「お前、人の身体なんか洗えんのか?」

カミナは、半分虚ろな表情でぐにゃりとキタンの肩に凭れかかった。
会話は一応出来てはいるが、意識の半分は眠っているようだった。

「もちろん」

「ふーん…ならいいよ」

へろりと、口元を緩ませカミナはそう呟く。

「目瞑っとけよ」

キタンは睡魔に負けてふらふらしているカミナを浴槽の中に座らせると、頭からシャワーで湯を掛けた。 

「ふえー…気持ちいいなぁー」

キタンがシャンプーを取り、髪に付けて泡立て始めるとカミナは溜息をついた。

「だったら毎日やってやろうか?」

キタンは髪の間から頭皮をマッサージするよう、指先で掻き回す。
大雑把ではあるが、その大雑把さ加減が反対にマッサージ効果を高めていたのか

「それも…いいかもなぁー」

と、気持ちが良くなったカミナはふわりと顔を上げた。

「ちょ…おい、目に入るぞ」

キタンは、唐突に行動をするカミナに向けて注意したが既に遅く、シャンプーの泡が上を向いたカミナの顔に流れて落ちる。

「…痛っ!」

多分、半分意識がなかったせいの行動なのだろう。
カミナはシャンプーが目に入ったのか、そう声を上げると目を押さえた。

「だから言っただろーが」

「お前のせいだ」

カミナは目を閉じたまま鼻を鳴らし、恨みがましい表情をキタンへと向けた。

「シャンプーしてんだから、注意しねえお前が悪い」

キタンはそれを見て苦笑しつつそう言うと、シャワーヘッドを手に取りカミナへと向ける。

「流すぞ」

「ういーっす」

泡を洗い流し、適当にリンスして頭は終わった。

「身体もか?」

キタンはいったん流していた湯を止める。

「おう」

「じゃ立てよ」

「だりぃよー」 

カミナは座ったままぷるぷるとかぶりを振り、水飛沫を散らすと甘えた目でキタンを見上げた。

「しょうがねーなあ…ったくよう」

キタンは、ぶつぶつと文句をいいながらカミナの脇から腕を回して立ち上がらせる。
カミナの形が良い筋肉が付いた身体を、キタンの骨太ながっちりとした逞しい腕が持ち上げる。

「キターン…愛してるぞー」

カミナは嬉しそうにへらりと笑うと、そう言う。

「ばぁーか。当ったりめえだろーが」

キタンはカミナを背後から抱きかかえるようにして、薄い胸から泡立てたスポンジで擦った。

「お前は洗わないのか?」

キタンが反対を向けて背中を洗おうとするとカミナはそう言いつつキタンの旨の辺りを指差す。
その指の先にあるキタンの胸から腹にかけて、自分で洗う前に既に石鹸塗れになっていたのだ。

「後で洗うわ」

「やってやろうか?」

カミナは、泡だらけの手でキタンの脇腹をなぞる。

「いや。お前が疲れてるから、やってやろうっつったんだし」

カミナの煽情的な指の動きが背筋をぞわりと震わせるが、ぶんぶんとかぶりを振りキタンは断った。

「ちぇー…されるだけってぇのは何か嫌だなあ」

カミナは不満そうに呟きながら、口唇を尖らせる。
そう言う仕草は年相応なのに、あの戦場での背の広さはいったい何処からくるんだろうか。

「じゃあまた、次にな」

キタンはカミナが自分に身を預け切ってくれているだけで十分幸福を感じていたが、それがもっと増幅された気がした。

「ん…解った」

カミナの身体を洗っていたボディブラシをフックに引っ掛け、コックを捻ってシャワーの湯を浴びせ手で撫でながら泡を流してゆく。
指が首筋や脇をかすめて通っていくと、カミナはくすぐったそうにくすくすと笑いながら、キタンの返事に満足した表情を見せる。

「ほい。終わり…っと」

泡が完全に洗い落とされると、キタンはカーテンを開け、棚からタオルを取ってカミナに渡すと、カミナは適当に身体を拭いて、腰に巻き付けてバスルームの外へとのろのろと出てゆく。

「先に寝てるぜ…」

「うん」

シャワーの湯を浴びて目が覚めるかと思えば、そうでもなかったらしく、カミナはキタンにそう言うとそのままベッドへ倒れこんだ。





キタンが濡れた服を脱ぎ軽くシャワーを浴びてバスルームから出て来た時、カミナは濡れた髪もそのままで、寝息を立てていた。

「おいおい… 髪ぐらい乾かして寝ろよ…ったく」

キタンはげんなりしつつそう呟くが、カミナを起こさないようにそっと横へ入り込み、身体が温かいうちに擦り寄って寝ることにしたのだった。

スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。