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キャプテン・シモンとチビカミナシリーズ -HUSH-A-BY-

すやすやと眠るカミナの髪を優しく撫でると、シモンは過去へと想いを馳せる。
ここにいる小さなカミナ以外、どの次元のカミナも総て死すべき運命から逃れられない。

しかし、この小さなカミナもいつかは此処から旅立つ意志を示すだろう。
カミナは、そういう人間なのだ。

シモンは痛いほど判っていた。カミナが閉ざされた空間にいつまでも留まっていられないという事を。
それが果たして明日なのか、5年後なのか、はたまた20年後なのかは判らない。
だが、いつかは自分の前から旅立つことだけはわかっていた。


その行為が喩え「死」を迎える事となろうと、カミナはいつまでも一所には留まってはいられないのだ。


その時、シモンはこの小さなカミナを笑って送り出すことが出来るだろうか。
シモンは小さく呻き、口唇を噛み締める。
一度手に入れてしまったものを、手放すことはそんなに容易いことではない。
それが、確実に二度と手に入らないものだと判っていればなおさらの事だ。

その瞬間を、シモンは何度も何度も心の中で描くが、答えは出ない。
言葉の鎖で括りつけて、部屋に閉じ込めておけばそれでいいのか。
しかしそんなことをしてしまえば、大鳥のように自由に羽ばたくカミナの魂はそこで砕かれてしまうだろう。そして、シモンの愛するカミナは永遠に失われてしまうのだ。


「…苦しいよ、兄貴。おれは…どうすれば…」


小さなカミナの髪を撫で指で梳る手が止まり、ゆるゆるとちょっとでも力を入れて掴めば折れてしまいそうな細い首筋へと視線を移しそして手が伸びる。

「……ん」

違和感を感じたのかカミナは小さく身じろぎ、小さく寝言のような声を発すると寝返りを打った。

「あ…っ あぁあぁあ……ッ」

シモンはその瞬間、自分が何を仕出かそうとしたかに気付き、その自らの行為に恐怖し慌ててカミナから手を離すと、ベッドの脇に頽れ顔を両手で覆い呼吸するのも苦痛なような喘ぎを漏らした。

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